もくじ
このコラムでは、猫の嘔吐の主な原因と、それに応じた適切な対処方法についてご紹介します。
愛する家族である猫の健康のために、病気のサインを見逃さないよう学んでいきましょう。
猫の嘔吐について知ろう~「嘔吐」と「吐出」の違い~
猫が何かを吐くという行為は「嘔吐」と「吐出」に分けられます。
嘔吐~胃の中のものを吐き出す~
嘔吐とは、胃の中のものを吐き出すことをいいます。
嘔吐の前に吐き気を催すことが多く、震え・口の周りをやたら舐める・よだれが出るといった様子が見られます。
吐出~胃に入る前に吐き出す~
吐出とは、胃に入る前のものを吐き出すことをいいます。
多くの場合、食後すぐにフードが未消化の状態(フードの形状を保ったまま等)で吐き出します。
猫が朝方や食事前に吐いた場合~空腹が原因かも~
猫は空腹で嘔吐することがあります。
朝方や食事前に透明な泡のようなものや黄色っぽい液体を吐いている場合、空腹のために吐いている可能性があります。
空腹が原因で嘔吐している場合、空腹の時間をなるべくつくらないように、寝る前に少量のフードを与えたり、食事を何回かに分けて与えると治まることがあります。
猫が毛玉を吐いた場合~猫によくある嘔吐~
猫は毛づくろいの際に飲み込んだ毛玉を吐き出すことがよくあります。毛玉を吐いた後、元気・食欲があれば、多くの場合は心配する必要はありません。
ですが、頻繁に毛玉を吐くようでしたら、何らかの病気の可能性もありますので獣医師に相談しましょう。
猫がフードを嘔吐した場合~フードが体質に合わないことも~
フードが猫のからだに合っていないため猫が嘔吐する場合があります。
猫はデリケートな動物です。急にフードを変更したり、フードの中に猫に合わない成分が入っていると、吐き出してしまうことがあります。
猫は人間のようにフードをすりつぶしたりせず丸呑みします。フードを噛まずに丸飲みするので嘔吐しやすいのではないか考える人もいますが、猫は健康な場合、丸飲みしても特に問題なく消化できます。
嘔吐以外の症状がある場合~病気が原因の嘔吐~
猫が病気で嘔吐する場合、腎臓病などの内臓疾患や腸閉塞、感染症などが考えられます。
急に痩せてきた、下痢している、食欲がない、発熱、痙攣などの症状をともなう場合は、感染症や中毒、内臓の病気などが考えられますので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
猫は体調が悪い時や痛みがある時などに、症状を隠す傾向があります。
いつものことだから大丈夫と思って放置してしまうと、病気が悪化してしまうケースもありますので、注意が必要です。
緊急性のある病気かそうでないかが分かるように、普段から愛猫の様子をしっかり観察する習慣をつけておきましょう。
おもちゃなどの誤飲にも注意が必要!
猫はとても好奇心の強い動物です。おもちゃやゴム、ひもなどを飲み込んでしまう場合があります。床やテーブルの上には猫が飲み込んでしまいそうなものを置かないなどの注意が必要です。
誤飲したものをその場で吐き出したとしても、破片や他に誤飲したものがまだお腹の中にあるかもしれません。
そのままにしておくと、腸閉塞や中毒などにより命に係わることもあります。
また、喉の奥に異物が見えるからと、無理やり取り出そうとすると、喉や食道を傷つけてしまったり、自身の手を咬まれてけがをする危険性もありますので、絶対に自身で取り出そうとしないでください。
愛猫が誤飲した場合や異物が嘔吐物の中に見つかった場合はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
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監修者プロフィール
獣医師 藤沼 淳也
獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。