ペットともし被災してしまったら?

2024.2.19

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ペットともし被災してしまったら?

もし、災害が発生したら、あなたはペットを守ってあげることができますか?
今回は、ペットと被災してしまった場合に行うべき行動をご紹介いたします。

災害発生時に飼い主が行うべき行動

飼い主自身の安全確保

災害が発生した場合、まずはご自身の身の安全を確保してください。
飼い主自身が安全でないとペットを守ってあげることはできません。

ペットとの同行避難

飼い主自身の安全が確保できたら、ペットと一緒に避難所へ同行避難します。

同行避難とは?

災害発生時に、飼い主が飼育しているペットを連れて、指定緊急避難場所等まで避難することをいいます。
※避難所等において飼い主がペットを同室で飼育管理することを意味するものではありません。

指定緊急避難場所について
<外部サイト:https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/hinanbasho.html

事前に避難所の場所、ペットの受け入れが可能かどうか確認をしておくことも重要です。

同行避難する際の3ステップ

犬の場合

避難中の脱走を防止するため、首輪とリードの装着を行う

小型犬はリードをつけた状態で、キャリーバックやケージに入れる

ペット用の避難用品を持ち、指定緊急避難場所等へ向かう

猫、その他ペットの場合

キャリーバックやケージに入れる

キャリーバックなどの扉が開いて逸走しないように布テープなどで固定するとよい

ペット用の避難用品を持ち、指定緊急避難場所等へ向かう

ワンポイントアドバイス!〜キャリーバック、ケージの選び方〜

キャリーバックやケージは強度があり持ち運びしやすいものがおすすめです。
最近では、折りたためるケージや拡張型のリュックキャリーなどもあるので、扱いやすくその子に合ったものにしましょう。
サイズは、大きすぎてもペットに負担がかかってしまうので、伏せの状態ができるもの、かつキャリーバッグの適正体重と耐荷重に則したもの選びましょう。

避難中のペットの飼育環境の確保

被災状況等により、自宅避難(自宅で避難生活を行うこと)、一時預け先での飼育、地域防災拠点への避難など、様々な避難行動について、検討・準備をしましょう。

■避難所での飼育
避難所では、各避難所が定めたルールに従い、飼い主が責任を持ってお世話をします。
また、飼育環境の維持管理については、飼い主同士が助け合い、協力することが大切です。

■自宅で飼育する
自宅の安全確認が取れている場合は、自宅で飼育します。
支援物資や情報は、必要に応じて指定避難所などに取りに行きましょう。

■車の中で飼育する
自宅、避難所での飼育が難しい場合は、車の中で飼育します。
自宅飼育と同様に、支援物資や情報は必要に応じて指定避難所などに取りに行きましょう。
ペットだけを車に残す場合は、車内の温度に十分注意し、飲み物を用意しておきます。
また、長時間車から離れる場合には、ペットを安全な場所に移動させましょう。
飼い主自身の安全確保、エコノミークラス症候群には十分注意が必要です。

■知人や施設などに預ける
被害がおよぶ可能性が低い遠方の知人に預けることも検討しましょう。
また、施設に預ける場合は、条件や期間、費用などを確認し、後でトラブルが生じないよう、覚書などを取り交わすようにする。

避難中に飼い主が注意すること

周囲の人たちへの配慮

避難所等においては、各自治体の指示に従い、ルールを遵守し、他の避難者に迷惑をかけてはなりません。様々な人が共同生活を送る避難所においてペットを飼育する場合は、動物が苦手な人、アレルギーを持っている人等への特別な配慮が求められます。

ペットのストレスや体調への配慮

避難や避難生活はペットにとっても大きなストレスとなる可能性があるので、ペットの行動も考えた十分な準備をすることが重要です。
環境の変化やストレスでペットが体調を崩しやすくなるため、飼い主はペットの体調に気を配り、不安を取り除いてあげるよう心がけましょう。
いつもより多めにお散歩する、おもちゃで遊んだり、おやつをあげるなどして少しでもペットにストレスが溜まらないように心がけましょう。

散歩での注意点〜ペット用シューズが活躍〜

災害発生時の地面にはがれきなどが散乱しているのでそのような場所では、ペット用シューズがけが防止に役立つかもしれません。
また、お散歩をする際は他の人の迷惑にならないよう配慮しましょう。

日頃からの備え

日頃からの備え

人とペットが安全に避難し、周りの人へ迷惑をかけず、共同生活を送る地域防災拠点などの避難先で過ごすためには日ごろからの心構えと備えが必要です。

飼い主の明示〜ペットが行方不明にならないために〜

災害発生時には、大きな混乱が予想されます。万が一ペットと離ればなれになってしまった場合、飼い主であることの明示がとても重要となります。

犬の場合

首輪と迷子札

鑑札、狂犬病予防注射済票(飼い主は狂犬病予防法により年一回の狂犬病予防注射および鑑札、注射済票の装着が義務づけられている)

マイクロチップ(挿入した際は必ず、(公社)日本獣医師会に飼い主情報や動物情報を登録し、住所変更等があった場合は登録の変更も行う)

猫やその他のペットの場合

首輪と迷子札

足環

マイクロチップ(挿入した際は必ず、(公社)日本獣医師会などに飼い主情報や動物情報を登録する)

ワンポイントアドバイス!〜迷子札に必要な項目〜

迷子札はペットが万が一迷子になった場合に、ペットが飼い主の元へ帰って来れるよう手助けをするアイテムです。

<主な項目>
ペット名
飼い主の名前
緊急連絡先

最近では、表面にペット名、裏面がQRコードとなっており、QRコードから専用ページにアクセスし飼い主と連絡を撮ることができたり、ペットや飼い主のより詳しい情報がわかる機能がついた迷子札もあります。
※迷子札自体に個人情報を直接記載する必要はありません。

しつけ

避難所でのトラブル防止や他の人に迷惑をかけないためにも基本的なしつけをしておきましょう。

ケージやキャリーバックなどの中に入ることを嫌がらないようにしておく

決められた場所で排泄ができるようにしておく

人や他の動物を怖がらないようにしておく

ワンポイントアドバイス!〜ケージやキャリーバックに慣らす方法〜

普段から休めるスペースとして開放しておく

ケージやキャリーバックの中におやつを入れたりするなど、良い印象を持たせる

ケージやキャリーバックの中にペットのにおいがついたタオルやおもちゃを入れておく

ケージやキャリーバックでリラックスしているのを見つけたら褒める

少しでも嫌な印象がついてしまうと、ケージ内にいるだけでストレスが溜まってしまうので焦らずその子にあったペースで慣らしてあげることが重要です。

避難用品の確保

避難所には、ペット用品の備蓄はないので、少なくとも5日分以上のペット用品を用意しておきましょう。特に、ペットフードは人間の食料と違い、供給が絶たれた場合は当面回復の見込みが立たないケースが多いため注意が必要です。

療法食、薬

ペットフード、お水

キャリーバッグやケージ

ペットシーツなどのトイレ用品

食器

飼い主、ペットの情報(連絡先、ペットの写真、ワクチン接種状況など)

など

ワンポイントアドバイス!〜水の備蓄について〜

災害時は断水になってしまうことがあります。
そんな時のため日ごろから水もストックしておくとよいでしょう。

ペットに与えて良いお水「軟水」
水道水(保存期間が常温で3日、冷蔵で10日程度)
ペット用の飲料水(保存期間が1年〜2年程度)
ウォーターサーバー

多くのウォーターサーバーメーカーの水は、天然水とろ過水なので、ペットにあげても基本的に問題はありませんが、メーカーによってはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれているものもあるので注意が必要です。

控えた方が良いお水「硬水」

カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が多く含まれている硬水は、犬にとっては負担になる可能性があるため、ミネラル成分が多く含まれる「硬水」のミネラルウォーターを犬に与えるのは控えたほうが良いです。

健康管理

狂犬病予防接種や、各種ワクチンの接種。犬フィラリアやノミダニなどの寄生虫の予防、駆除を定期的に行いましょう。

一時預け先の選定

避難所への同行避難が難しい場合を想定し、あらかじめペットの一時預け先を決めておくことが大切です。災害が発生してから一時預け先を探すことは非常に困難なため、預け先への連れて行く方法なども含めて事前に検討、確認をしておきましょう。

最後に

大切な家族の一員であるペットを守れるのは飼い主だけです。
いつ起こるかわからない災害に備えて、日頃から防災対策を行い、災害時にペットを守ってあげられるように準備しておきましょう。

本コラムは、災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>(環境省)をもとに当社にて作成しております。

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