【獣医師監修】犬と猫の“コロナウイルス”ってどんな病気?〜猫伝染性腹膜炎(FIP)編〜

2022.02.22

  • コロナウイルス
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【獣医師監修】犬と猫の“コロナウイルス”ってどんな病気?〜猫伝染性腹膜炎(FIP)編〜

犬猫のコロナウイルスはヒトの新型コロナウイルスとは異なり、人に感染しません。しかし、わんちゃんや猫ちゃんと暮らしている方なら、必ず知っておいてほしい病気を引き起こします。
前回の犬コロナウイルス感染症編に続き、今回のコラムでは猫と一緒に暮らしているなら知っておいてほしい「コロナウイルス」に関連する恐ろしい病気、猫伝染性腹膜炎(FIP)編をご紹介いたします。

猫コロナウイルス感染症(猫伝染性腹膜炎:FIP)

 猫伝染性腹膜炎(FIP)の原因
猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)が猫伝染性腹膜炎を(FIP)を引き起こします。
猫コロナウイルス(FCoV)のひとつである猫腸コロナウイルス(FECV)が猫の体内で突然変異したものが猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)です。
猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)、猫腸コロナウイルス(FECV)は経口感染をします。
具体的には、感染猫から排泄され、糞便や体毛に付着したウイルスが口に入ることで猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)、猫腸コロナウイルス(FECV)に感染します。

猫伝染性腹膜炎(FIP)の原因

猫腸コロナウイルス(FECV)に感染しても、多くは無症状か軽い下痢で治まりますが、体内で猫腸コロナウイルス(FECV)が何らかの理由で突然変異し、猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)になることがあります。猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)は重篤で致命的な猫伝染性腹膜炎(FIP)を発症させます。

 猫伝染性腹膜炎(FIP)の症状
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、典型的な症状が起こると、致死率はほぼ100%の病気です。
発熱、食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少、可視粘膜蒼白、黄疸など様々な症状がみられます。ぶどう膜炎、脈絡膜炎などの眼病変もみられることがあります。
3歳以下、10歳以上での発症が多く、特に1歳未満は進行が早く、神経症状もみられることがあります。
滲出型では腹水、胸水がみられ、非滲出型では様々な臓器に腫瘤性病変(化膿性肉芽腫)が認められます。

 猫伝染性腹膜炎(FIP)の治療
病型により免疫抑制剤やインターフェロンを使用しますが、確立された治療法はありません。

 猫伝染性腹膜炎(FIP)の予防
日本国内ではワクチンはありません。
感染拡大防止のため、感染猫との接触を避け、感染猫の使用した食器、トイレなどの消毒を行い、飼育環境を清潔に保ちましょう。

猫伝染性腹膜炎(FIP)給付事例

ペット品種
マンチカン
事故年齢
1歳3か月
加入プラン
いつでもパックプレミアム

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猫伝染性腹膜炎(FIP)給付事例

(単位:円)

保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容
通院1日目 15,510 12,000 3,510 補償限度額超過
入院1日目 12,242 - -
入院2日目 12,242 - -
入院3日目 12,242 - -
入院4日目 12,241 - -
入院5日目 12,241 - -
入院6日目 12,241 - -
入院7日目 12,241 - -
∟入院合計額 85,690 84,000 1,690 補償限度額超過
通院2日目 21,010 5,000 16,010 補償限度額超過
合計 122,210 101,000 21,210

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※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※上記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。

SBIプリズム少短の獣医師 藤沼淳也

監修者プロフィール

獣医師 藤沼 淳也

獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。

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