【獣医師監修】死亡率約50%!ペットの熱中症について〜愛犬・愛猫の命を守るために〜

2022.6.30

2024.5.27

  • ペット
  • 熱中症

【獣医師監修】死亡率約50%!ペットの熱中症について〜愛犬・愛猫の命を守るために〜

今年もまた暑い夏がやってきました。
夏は人と同様に犬や猫も熱中症になりやすい季節です。
今回のコラムでは、犬と猫の熱中症の「怖さ」についてご紹介します。

犬と猫の熱中症の対策方法や、おうちでできる応急処置方法、症状の見分け方については昨年のコラムで詳しくご紹介しています。
こちらも本コラムとあわせてご覧ください。

熱中症はこんな病気 ~原因と症状~

熱中症とは、高温多湿な環境が原因で体温が上がったことにより生じる全身性の疾患です。

熱中症の原因

気温や湿度の高い場所での過度な運動は、熱中症の原因になります。

熱中症の症状

熱中症の初期には、口を開いて呼吸する(パンティング)、よだれをたらす(流涎)、ぐったりするなど元気がない様子(元気喪失)がみられます。

熱中症の症状が悪化すると、嘔吐、下痢や血便、虚脱(力が抜けている様子)、発作、意識混濁(呼びかけても反応がなく、目を覚まさない様子)など、全身の各臓器に障害を引き起こします。

さらに、体温が高い状態が続くと、生きるために欠かすことのできない複数の重要な臓器に障害を引き起こし、脳障害を含む多臓器不全に陥ります。

熱中症はこんな病気 ~原因と症状~

熱中症の死亡率は約50% ~治療方法と経過〜

熱中症になったら常温の水をかける~おうちでできる応急処置~

熱中症になった場合、できるだけ迅速に上がった体温を下げることが重要です。
シャワーなどで常温の水をかけ全身をぬらし、体温を下げましょう。

おうちでできる熱中症の応急処置方法については、こちらのコラムで詳しくご紹介しています。

熱中症の動物病院での治療方法

動物病院では、犬や猫の状態をみながら輸液療法や酸素吸入、各臓器障害に対する治療も行います。

熱中症の死亡例の多くは動物病院を受診してから24時間以内

犬や猫の熱中症は、動物病院に運ばれてくる段階ですでに病態が進行していることが多く、手遅れになることも。
動物病院での熱中症の死亡率は約50%にのぼります。死亡例の多くは動物病院を受診してから24時間以内に亡くなっています。

熱中症は完治まで1週間以上かかる ~治療と経過~

熱中症は、重篤な症状があった場合、1度の通院では完治せず入院や複数回の通院が必要になります。
動物病院での治療により急激な症状が緩和された後も、最低でも数日間は入院し経過観察し、症状や臓器の状態に合わせて治療を継続する必要があります。
退院できるようになるまで平均5~7日程度かかり、いずれも完治ではなく、その後の通院が必要です。

熱中症は治療費用に15万円かかることも ~実際のケース~

入院や通院が長引くと治療費用も高額になります。
当社の熱中症請求事例では治療費合計額が15万円を超えることもありました。

熱中症になったときの平均治療費

熱中症罹患時の平均治療費

熱中症になったときの平均治療費は、5,705円でした。

※当社請求データより診断名に「熱中症」を含む保険金請求をもとに算出しています。

実際の請求事例

※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※下記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。

MIX(小型犬)7歳 保険金給付事例
ペット品種
MIX(小型犬)
事故年齢
7歳3か月
加入プラン
いつでもパック プレミアムプラン

治療費合計:153,458円

保険金支払額:153,458

給付率:100% 自己負担率:0%

保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容
入院1日目 11,800 - -
入院2日目 3,300 - -
入院3日目 3,300 - -
入院4日目 16,500 - -
入院5日目 39,028 - -
入院6日目 10,450 - -
入院7日目 10,450 - -
入院8日目 10,450 - -
入院9日目 15,070 - -
入院10日目 10,450 - -
入院11日目 2,750 - -
入院12日目 2,750 - -
入院13日目 2,750 - -
入院14日目 2,750 - -
入院15日目 2,750 - -
入院16日目 8,910 - -
∟入院合計額 153,458 153,458 0
合計 153,458 153,458 0

こちらのケースでは、7歳の小型犬が熱中症になり、16日間入院し、治療費用の合計は約15万円でした。
当社のペット保険「いつでもパック プレミアムプラン」に加入していたため、自己負担額は0円でした。

請求事例は熱中症に関する調査記事でもご紹介しています。

熱中症は夏以外に発症することも ~秋冬の熱中症の原因~

夏になると発症が多くなる熱中症ですが、トリミング時のドライヤーなども熱中症の原因となることがあるため、夏だけでなく秋冬にも注意が必要です。
また、短頭種、大型犬、肥満、長毛種、呼吸器疾患、心疾患などは熱中症の要因としてあげられます。

当社犬猫熱中症請求データ

熱中症は夏以外で発症することも ~秋冬の熱中症の原因~

※2023年4月1日~2024年3月31日の間に当社請求データより診断名に「熱中症」を含む保険金請求をもとに算出。

熱中症対策 ~おすすめグッズ~

熱中症対策として、クールマットやクールウェアなどの商品が市販されています。
冷やしたタオルを首に巻くことも熱中症の対策に有効です。

グッズをうまく活用し今年の夏を乗り切りましょう。

熱中症におすすめなペット保険のご紹介

ペットは人間より4倍から7倍のスピードで成長していると言われています。
成長のスピードが速いため、たった1日で、症状が急激に悪化してしまうことも!?
また、ペットには人間と違って公的な健康保険制度がなく病気やけがの診療費は、飼い主さまの全額自己負担となってしまいます。

「ペットは言葉で伝えることが出来ません」
ペットの何気ない変化を見逃さず、動物病院へ足を運んでいただき、けがや病気の早期発見・早期治療につながりますよう、ペット保険をお役立てください。

熱中症におすすめなペット保険 プリズムペット

SBIプリズム少短の獣医師 藤沼淳也

監修者プロフィール

獣医師 藤沼 淳也

獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。

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