もくじ
三角形の猫耳は、猫のチャームポイントのひとつといえるほど、愛くるしいものですね。
他の猫たちとは違い、耳がくるんとカールした「アメリカンカール」という猫種には、たくさんの魅力が詰まっています。
今回はそんなアメリカンカールの歴史や性格、飼い方のコツなどを分かりやすくまとめてみましたので、ぜひチェックしてみてくださいね。
約40年前の突然変異が起源の猫~アメリカンカールの歴史~
アメリカンカールは突然変異により誕生した、比較的新しい品種です。
1981年アメリカのカリフォルニア州レイクウッドで暮らしていたルーガー夫妻は、自宅の玄関の階段に真っ黒な長毛の子猫がいるのを発見しました。
子猫をよく見てみると、耳が反りかえってカールしているという驚きの特徴を持っていました。
その子猫は「シュラミス」と名付けられ、ルーガー夫妻に飼われることになりました。
のちにシュラミスが生んだ4頭の子猫のうち、2頭がカールした耳を持っていたことから、カールした耳は遺伝するものだと分かりました。ここからアメリカンカールのブリーディングが始まりました。
1983年にカリフォルニア州で開催されたキャットショーに出場し、その特徴的な外見から瞬く間に多くの人の注目を集め、1987年には品種として公認されました。
後ろにカールした耳が可愛い~アメリカンカールの特徴~
アメリカンカールの特徴は後ろにカールした耳
アメリカンカールの最大の特徴は反り返った耳ですが、すべてのアメリカンカールの耳がカールしているわけではありません。ほとんどまっすぐな耳を持つ子から90度以上曲がっている耳の子まで、耳のカールの角度はその子によってさまざまです。
アメリカンカールは筋肉質なボディで大きめサイズ
アメリカンカールは筋肉質なボディをもつ「セミフォーリンタイプ」です。
頭部は丸みを帯びたくさび型をしており、目はクルミのような丸い形をしています。
しっぽはボディと同じくらいの長さをしています。
アメリカンカールの毛色はざまざま
アメリカンカールの毛色は「シルバー」「ブラウン」「ブラック」などさまざまなカラーパターンが見られます。
毛の長さは短毛と長毛の両方が存在し、長毛の場合はしっぽがボリューミーになります。毛の手触りはやわらかくシルキーです。
甘えん坊な性格で「ピーターパンキャット」と呼ばれる猫~アメリカンカールの性格~
アメリカンカールは甘えん坊で「ピーターパンキャット」との愛称も!
アメリカンカールは、温和で人懐っこく、社交的な性格をしています。
いつまでも子猫のように甘えん坊な一面もあり、「ピーターパンキャット」とも呼ばれています。
賢く穏やかな子も多いため、飼いやすい品種です。
アメリカンカールは人が大好き!来客対応も得意
アメリカンカールは好奇心旺盛で社交的なため、人や他のペットとの交流を楽しむ傾向があります。来客時には自分から寄り添いにいくこともあります。
アメリカンカールの鳴き声は穏やかで静か
アメリカンカールは大きな声で鳴くことが少なく、一般的に鳴き声は静かだと言われています。
ただし、寂しいときやストレスが溜まっているときなどには大きな声で鳴くこともあります。
アメリカンカールにしてあげたい日頃の世話やケアとは?
アメリカンカールのブラッシング~頻繁にブラッシングしよう~
アメリカンカールの被毛は、短毛と長毛の両方が存在します。
長毛はシングルコートか下毛が短く少ないダブルコートです。短毛はダブルコートが多いため、換毛期には抜け毛が多くなります。長毛短毛にかかわらず頻繁にブラッシングをしてあげましょう。
アメリカンカールの耳のケア~耳掃除は獣医師と相談しながら行おう~
アメリカンカールの耳の中の異常や汚れに注意し、耳を清潔に保ちましょう。
しかし、アメリカンカールの特徴的な後ろにカールした耳は硬くお手入れが難しいため、誤った方法で耳掃除をすると耳を傷つけてしまう場合もあります。獣医師の指示に従って耳掃除をしてください。
アメリカンカールの運動~毎日遊ぶ時間を確保しよう~
アメリカンカールは活発で遊ぶのが大好きです。毎日一緒に遊んであげる時間を確保しましょう。おもちゃやキャットタワーなどのアイテムも活用しましょう。
アメリカンカールを飼うときの注意点とは?
産まれたばかりのアメリカンカールの耳はまっすぐ!
アメリカンカールは産まれたばかりの頃は耳がカールしていません。
耳がカールしはじめるのは生後3~5日ほどたった頃であり、生後16週ごろには完全なカールが完成するとされています。
耳の中には軟骨があり、むやみに耳を触りすぎると、耳の軟骨を傷つけてしまう可能性があります。耳をむやみに伸ばしたり曲げたりしないようにしましょう。
アメリカンカールは社交的で飼いやすい
アメリカンカールは独りで過ごすよりも人との交流を求める傾向があります。
縄張り意識が薄い子も多いため、多頭飼育や小さなお子様のいる家庭でも飼いやすい品種です。
アメリカンカールの気を付けたい病気
外耳炎~アメリカンカールの耳は定期的なチェックとお手入れが必要~
アメリカンカールはその特徴的なカールした耳から、他の猫種よりも「外耳炎」になりやすいです。外耳炎は、耳の入口から鼓膜までの外耳という部位にかゆみや、炎症が生じる病気です。
放置すると中耳炎や内耳炎といった鼓膜のさらに奥まで炎症が波及してしまう場合もあるため、定期的に耳のチェックを行いましょう。
耳垢が増える、耳が赤い、異臭などのような異常に気が付いた場合、動物病院に連れて行くなど早期発見、早期治療につとめましょう。
骨軟骨異形成症~先天的な遺伝子の病気をもつアメリカンカールもいる~
骨軟骨異形成症は、主にスコティッシュ・フォールドに多い遺伝的な疾患ですが、アメリカンカールでも見られることがあります。
幼い頃の成長段階で脚の骨や軟骨の形成に問題が生じることにより、四肢や尾の関節がコブ状に腫れたり、関節が動かしづらくなってしまう疾患です。
根本的な治療法や予防法はなく、痛みの緩和といった対症療法で対処します。
毛球症~長毛のアメリカンカールは注意!~
毛球症は、猫が毛づくろいした毛がお腹に溜まってしまうことで引き起こされる病気です。
通常なら、毛は便と一緒に排出されますが、うまく排出されずに胃や腸管内に留まり大きな毛球になってしまうと、嘔吐、食欲不振、便秘などの症状が現れます。
毛球症は、アメリカンカールに限らず長毛の猫は特に注意が必要です。こまめにブラッシングを行い、症状がみられる場合は早めに獣医師に相談しましょう。
健康チェックを定期的に行いアメリカンカールと暮らそう!
アメリカンカールのチャームポイントのカールした耳は病気になりやすく注意が必要な面もあります。
しかし、温和で人懐っこく社交的なアメリカンカールは家庭にぴったりな品種です。
適切なお手入れや健康チェックを行い、アメリカンカールとの素晴らしい時間を過ごしましょう。
アメリカンカールにおすすめなペット保険
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特徴的なお耳のため外耳炎の多いアメリカンカール。
動物病院の治療費は思った以上に高額になりがちで気軽に通院できない…。そんな時、ペット保険に入っていれば負担が軽くなります。
大切な家族である猫がいつでも適切な治療を受けられるようにペット保険の加入も検討してみてください。
監修者プロフィール
獣医師 藤沼 淳也
獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。