もくじ
慢性腎不全=猫の病気ではない!~犬もなりやすい慢性腎不全~
「慢性腎不全で死亡する猫は多い」そんな話を、耳にしたことはないでしょうか。
慢性腎不全は猫がなりやすい病気というイメージを持つ人も多いと思いますが、犬にとっても慢性腎不全は死因の上位に入るほどメジャーな病気です。
犬 7歳以上の死亡原因TOP3
第1位 悪性腫瘍(がん)
第2位 循環器疾患
第3位 腎・泌尿器疾患(慢性腎不全を含む)
※本データは、当社の保険商品「プリズムコール」の葬祭保険金をご請求いただいた際の診断書の記載に基づくものであり、現在販売している「プリズムペット」では取り扱いのない補償になります。
また、本データの抽出範囲は、2017年12月から2022年10月末までにご請求いただいた4,983件を対象に評価しています。
犬の慢性腎不全とは?~急性腎不全と慢性腎不全の違い~
腎臓は、体内の有害な物質を“ろ過”して、体外に排出させる役割をもつ大切な臓器です。
腎不全とは、腎臓の機能が十分に働かなくなった状態のことをいい、「急性腎不全」と「慢性腎不全」があります。
急性腎不全~突然腎臓の機能が低下する~
「急性腎不全」とはその名のとおり、急激に腎臓の機能が低下し、元気・食欲低下、嘔吐などの症状がみられます。
原因としては、脱水、感染や中毒、尿の通り道の閉塞などがあげられます。
慢性腎不全~長期間かけて徐々に病気が進行していく~
「慢性腎不全」は、数か月~数年の時間をかけて、徐々に腎臓の機能が低下していく病気です。
症状が現れた時にはすでに腎機能の約70~75%が失われていると考えられています。
慢性腎不全は完治することがないため、早期発見および病気の進行抑制が大切になります。
慢性腎不全の原因
慢性腎不全の原因はさまざまです。
病気の影響
急性腎不全が長期化して慢性腎不全につながったり、他の病気(糖尿病、がんなど)の影響により慢性腎不全が引き起こされることがあります。
腎臓に負担のかかる食事
塩分が多い食事は腎臓に大きな負担がかかります。人間と同じように、「偏った食生活」は腎臓に多大な影響を与えてしまうのです。
栄養バランスの整った食事を与えるようにしましょう。
他に加齢による腎機能の低下などもあげられます。
慢性腎不全の症状
犬の慢性腎不全の初期症状~尿量と飲水量が増える~
腎臓の機能が低下してくると、オシッコの量や水を飲む量が増えるといった症状が現れます。色の薄い尿を大量に排出するため、普段から健康なときの愛犬の尿量や色などをしっかりと観察していると変化に気づくことができるかもしれません。
慢性腎不全の初期症状例
オシッコの量・水を飲む量が増える
オシッコの色が薄くなる
体重が減る
脱水
口臭
嘔吐・下痢
など
慢性腎不全の治療
一度破壊された腎臓の組織は、元には戻りません。そのため、残っている腎臓の機能をできるだけ長く維持するような治療を行います。
食事療法
犬の慢性腎不全の治療で大切なのは、毎日の食事です。タンパク質やリンなどの含有量を少なくした腎臓病用療法食もありますので、動物病院の先生と相談して愛犬に最適なご飯を与えましょう。
いつもの療法食に飽きてなかなか食べてくれないこともあります。そのような時は、いつものとは違う療法食を試してみたり、飽きないようにいろいろな種類の療法食をローテーションして与えてみたりするのも良いかもしれません。
脱水の予防
普段の飲水量だけでは身体の水分量が不足してしまう場合には、点滴により足りない水分量を補います。
薬・サプリメント
腎臓への負担を軽減させるための薬やサプリメントを使用することもあります。
※当社ペット保険においては、「療法食」「サプリメント」は保険金給付対象外となります。

平均通院治療費は¥8,087/日
※集計対象治療日:2020年12月1日~2023年11月31日
慢性腎不全の予防
腎不全を完全に予防することはできませんが、腎臓に過度な負担をかけないように心がけることが大切です。
栄養バランスの良いごはんを食べさせる
普段の食事では、過度な塩分を控え、総合栄養食などの栄養バランスの良い食事を与えるようにしましょう。
人の食べ物は食べさせない
一般的に人の食べ物は犬にとって味が濃く、塩分が多いため腎臓に負担をかけてしまいます。栄養バランスも偏ってしまう恐れもあるため、人の食べ物は与えないようにしましょう。愛らしい表情でおねだりされると、「少しぐらいなら…」とあげてしまいたくなりますが、愛犬の健康を考えてぐっと我慢しましょう。
いつでも水を飲めるようにする
いつでも新鮮な水を飲めるようにしておき、なるべく身体の水分量を不足させないようにしましょう。
定期的な健康診断
慢性腎不全の初期症状はわかりづらく、健康診断で慢性腎不全が発見されることも少なくありません。
定期的に健康診断を受け、病気の早期発見に努めましょう。
慢性腎臓病は早期発見・早期治療が大切です。
普段から愛犬の様子をよく観察し、ささいなことでも異変を感じたら動物病院を受診するようにしましょう。
慢性腎不全に備える!おすすめのペット保険
犬の「慢性腎不全」も補償対象
「動物病院の治療費が気になり、気軽に通院できない…」
そんな時、ペット保険に入っていれば負担が軽くなります。大切な家族である愛犬がいつでも適切な治療を受けられるようにペット保険の加入も検討してみてください。
監修者プロフィール
獣医師 藤沼 淳也
獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。