【獣医師監修】犬の心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」ってどんな病気~原因と症状、治療法について知ろう〜

2024.7.24

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【獣医師監修】犬の心臓病「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」ってどんな病気~原因と症状、治療法について知ろう〜

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)は中高齢の小型犬でよくみられる心臓の病気です。
僧帽弁閉鎖不全症の初期症状は「疲れやすい」「動きたがらない」といった症状で、気づきづらいため、健康診断で発見されることも少なくありません。病気が進行すると「咳」や「失神」、「呼吸困難」といった症状がみられ、命に関わることもあります。
僧帽弁閉鎖不全症はお薬では完全に治すことはできませんが、早期発見・早期治療ができれば、病気の進行を遅らせられる可能性があります。

僧帽弁閉鎖不全症の原因

僧帽弁の変性

僧帽弁とは、心臓の中にある弁のひとつで、開閉することにより血液の流れを一定方向に保っています。
僧帽弁が加齢などの原因で変性し、弁の開閉がうまくできなくなると、血液の流れに乱れが生じ、全身に血液を十分に送り出せなくなってしまいます。これにより様々な症状が引き起こされます。

僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種

中高齢の小型犬種での発症が多くみられます。チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、シーズーなどの小型犬種が好発犬種としてあげられます。
また、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは遺伝的に罹患しやすい犬種として知られています。

僧帽弁閉鎖不全症の症状

進行すると死に至ることも

初期症状は「疲れやすい」「寝ている時間が増える」といった程度ですが、病状が進行するにつれて、「咳」「失神」「肺水腫(肺の中に液体が溜まった状態)」「呼吸困難」などの症状が現れます。
特に肺水腫になると呼吸困難に陥り、呼吸不全により死に至ることもあります。

僧帽弁閉鎖不全症の治療

僧帽弁閉鎖不全症の治療には内科治療と外科治療があります。

内科治療~病気の進行を遅らせる~

内科治療では症状や重症度に応じて強心剤や血管拡張薬などのお薬を使用します。
内科治療は根治的な治療ではなく、症状を抑えたり、病気の進行を遅らせることを目的としています。

外科治療~完治を目指した治療~

外科治療は、実施できる施設が限られていますが、完治を目指した治療になります。

僧帽弁閉鎖不全症の予防

心臓に負担のかからないような生活習慣を!

僧帽弁閉鎖不全症の予防方法はありません。
肥満や塩分の高い食事は心臓に負担をかけてしまうため、普段から心臓に負担のかからないような生活習慣を心掛けましょう。
また、心臓病の初期症状は気づきづらく、気づいたころには病気が進行してしまっていることもあります。定期的に健康診断を受け、早期発見に努めることが大切です。

僧帽弁閉鎖不全症の予防

給付事例

※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※下記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。

MIX(小型犬)11歳 保険金給付事例
病名
僧帽弁閉鎖不全症
ペット品種
MIX(小型犬)
事故年齢
11歳
加入プラン
いつでもパックプレミアム

治療費合計:81,840円

保険金支払額:62,740

給付率:76.7% 自己負担率:23.3%

保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容
通院1日目 7,150 6,600 550 肛門腺
入院1日目 27,024 - -
入院2日目 10,853 - -
入院3日目 10,853 - -
∟入院合計額 48,730 36,000 12,730 補償限度額超過
通院2日目 7,590 7,590 0
通院3日目 17,820 12,000 5,820 補償限度額超過
診断書費用 550 550 0
合計 81,840 62,740 19,100

MIX(小型犬)が治療のため3日間通院、3日間入院したところ、81,840円の治療費用となりました。
当社ペット保険のプリズムペット いつでもパック プレミアムに加入していた場合は、62,740円が支払われ、自己負担は19,100円です。

犬の心臓病に備える!おすすめのペット保険

犬の「僧帽弁閉鎖不全症」も補償対象

「動物病院の治療費が気になり、気軽に通院できない…」
そんな時、ペット保険に入っていれば負担が軽くなります。大切な家族である愛犬がいつでも適切な治療を受けられるようにペット保険の加入も検討してみてください。

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SBIプリズム少短の獣医師 藤沼淳也

監修者プロフィール

獣医師 藤沼 淳也

獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。

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