もくじ
高齢猫はほとんどが患っている?!~猫と腎不全(腎臓病)の関係~
猫がもっともかかりやすいと言われている病気である腎不全。15歳を超えた猫の約80%が慢性腎不全(腎臓病)に罹患していると言われています。
また、高齢の猫の死因の第1位にあげられる病気です。
猫 7歳以上の死亡原因TOP3
第1位 腎・泌尿器疾患
第2位 悪性腫瘍(ガン)
第3位 循環器疾患
※本データは、当社の保険商品「プリズムコール」の葬祭保険金をご請求いただいた際の診断書の記載に基づくものであり、現在販売している「プリズムペット」では取り扱いのない補償になります。
また、本データの抽出範囲は、2017年12月から2022年10月末までにご請求いただいた554件を対象に評価しています。
猫の腎不全(腎臓病)とは?
猫の腎臓の機能~尿をつくるだけじゃない~
腎臓は血液中の老廃物を「ろ過」し、尿として体外に排出する他、ろ過された尿から身体に必要な栄養素やミネラル、水分などを再吸収します。また、尿を作る以外にも血圧の調節、骨やミネラルの代謝を調節するビタミンDの活性化、赤血球を造るホルモンの分泌などの機能を有します。
猫の腎臓の機能
血液中の老廃物を尿中に排出する機能
作られた尿から、必要な成分や水分を「再吸収」をする機能
血圧調節
ビタミンDの活性化
赤血球をつくるホルモンの分泌
など
猫の腎不全(腎臓病)~急性腎不全と慢性腎不全の違い~
猫の腎不全には「急性腎不全」と「慢性腎不全」があります。
「急性腎不全」は数時間で急激に腎臓の機能が低下する病気で、ぐったりしている、おしっこが出ない(少ない)などの症状がみられます。すぐに治療しないと命にかかわる病気ですが、適切に治療が施されると腎機能が回復することもあります。
「慢性腎不全(腎臓病)」は数カ月~数年かけて徐々に腎臓の機能が低下していく病気で、多くの高齢猫が罹患しています。おしっこの量やお水を飲む量が増える、体重が減っていく、毛づやが悪くなるといった症状がみられます。
慢性腎不全(腎臓病)の初期のうちは症状がわかりづらく、上記のような症状が現れた段階ではすでに腎機能が70%程度失われていると言われています。
猫はなぜ腎不全(腎臓病)にかかりやすいの?
猫の祖先が関係する⁉~過酷な砂漠での生活~
一説によると、猫の祖先が砂漠で生活していたことが影響しているのではないかと言われています。
水の限られた過酷な環境に適応するために体外への水分の排出を抑制しようと、腎臓で水分を再吸収し、濃い尿をつくっていたため、腎臓に負担がかかりやすくなったと考えられています。
明確な原因は不明
しかし、猫がなぜ腎不全(腎臓病)になりやすいのか?その答えは明確には分かっていません。
高齢猫に多い慢性腎不全(腎臓病)ですが、生活環境、食事、服用中の薬、罹患歴、品種などが発症に関係することもあり、若い猫でも慢性腎不全を患う可能性があります。
猫の腎不全(腎臓病)の症状~早期発見のために知っておきたいサイン~
「急性腎不全」と「慢性腎不全」とでは症状が異なります。
猫が急性腎不全になった際、よく見られるサイン
無尿・乏尿(尿が出ない・少ない)
ぐったりしている
嘔吐
食欲不振(食欲がない、ごはんを食べない)
脱水
急性腎不全は数時間から数日のうちに急激に腎臓の機能が低下し、上記のような症状が現れます。
直ちに治療しないと命にかかわる病気ですので、上記のような症状が見られたらすぐに動物病院へ行きましょう。
急性腎不全は入院での治療となることが多く、当社に請求のあった急性腎不全の平均入院診療費は¥20,434/日※でした。
猫が慢性腎不全になった際、よく見られるサイン
多飲多尿(水を多くのみ、大量の尿をだす)
尿の色が薄い
体重減少
毛づやが悪くなる
嘔吐
口臭
食欲不振(食欲がない、ごはんを食べない)
特に、上の3つは飼い主が気づきやすい慢性腎不全(腎臓病)のサインですが、このような症状がみられた段階ではすでに70%程度の腎機能が低下していると考えられます。
慢性腎不全(腎臓病)は継続した治療が必要で、当社に請求のあった慢性腎不全(腎臓病)の平均通院診療費は¥8,913/日※でした。
※集計対象診療日:2022年9月1日~2023年8月31日
尿毒症~腎不全(腎臓病)が悪化した際に発症する可能性がある~
腎機能が著しく低下すると血液中の窒素化合物などの有害物質が体外に排出できなくなり、体内に溜まってしまいます。このような状態を尿毒症といいます。尿毒症になると、嘔吐・下痢、食欲不振、元気消失などの症状が現れます。このような症状がみられたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
猫の腎不全(腎臓病)を予防するには?
腎臓の組織は一度破壊されてしまうと完全に回復することはないため、腎臓病は早期発見および進行抑制が大切です。腎機能低下を早期に発見できるよう、定期的に健康診断を受けましょう。
また、腎臓病予防のために、過剰な塩分摂取は控え、いつでも新鮮な水を飲めるようにするなど、腎臓への負担を軽減させるような生活を心掛けましょう。
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監修者プロフィール
獣医師 藤沼 淳也
獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。