【獣医師監修】愛犬・愛猫の外耳炎ってどんな病気?~症状と原因、治療法について知ろう~

2024.4.8

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【獣医師監修】愛犬・愛猫の外耳炎ってどんな病気?~症状と原因、治療法について知ろう~

今回は犬や猫でよくみられる耳の病気、「外耳炎」についてご説明します。

犬と猫の外耳炎とは?

外耳炎はどんな年齢、品種でも罹患する可能性があり、再発しやすい病気です。
重症化してしまうと治療が困難になってしまうこともあるため、病気の早期発見・早期治療が大切です。

犬と猫の外耳道に炎症が起きている状態

犬や猫の耳は「外耳」「中耳」「内耳」の3つの部位に分かれており、耳の入口から鼓膜までの道を「外耳道」と言います。この外耳道に炎症が起きている状態が外耳炎です。
犬や猫の外耳道はL字型に曲がっており、外耳道内は通気性が悪く、細菌や真菌が容易に増殖できてしまうため、外耳炎になりやい環境になっています。

犬と猫の外耳炎の原因

外耳炎を引き起こす原因には以下のようなものが挙げられます。

アトピーやアレルギー

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどの皮膚疾患に併発して外耳炎を発症することがあります。
耳以外にも全身の痒みがみられます。

異物

耳道内に植物の種子などが入り込み、その物理的な刺激が原因となり外耳炎を引き起こします。散歩で草むらを歩く場合は注意しましょう。

感染症

耳に寄生するミミヒゼンダニ(耳疥癬)は強い痒みを伴う外耳炎を引き起こします。
また、耳道内における細菌や真菌の異常な増殖は外耳炎を悪化させる要因となります。

外耳炎になりやすい子の特徴

垂れ耳、耳毛が多い、耳道が狭いといった特徴は外耳炎を引き起こしやすい素因としてあげられます。
犬ではアメリカン・コッカー・スパニエル、トイ・プードル、シーズーなど、猫ではアメリカン・カール、スコティッシュ・フォールドなどが外耳炎になりやすい品種としてあげられます。

犬と猫の外耳炎の症状

こんな症状がある場合は動物病院で診てもらおう

外耳炎になると、耳の赤みや痒み、痛みが生じ、頭を振る、床にこすりつける、耳をしきりに掻くなどの様子がみられます。
また、皮膚の肥厚、耳垢の増加、悪臭などもみられることがあります。
愛犬・愛猫が耳を気にしていたり、耳垢が多くなったなど、耳の異変に気づいたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。

犬と猫の外耳炎の治療

犬と猫の外耳炎の治療

耳の洗浄

耳垢や耳の汚れの中には、外耳炎を悪化させる要因となる細菌や真菌が多く存在しています。
このため、耳をよく洗浄し、耳垢や耳の汚れを洗い落とす必要があります。
その後、点耳薬や抗炎症薬などを使用することもあります。

原因治療

ミミヒゼンダニが寄生している場合には駆虫薬を投与します。ミミヒゼンダニは他の犬や猫、人にも感染しますので、感染を拡大させないためにもしっかりと駆虫をしましょう。
基礎疾患がある場合には基礎疾患の治療をします。

治療の際の注意点

犬猫の外耳炎は、しっかりと治療しないと、慢性化や再発の原因となりますので、自らの判断で治療を終了しないようにしましょう。治療終了の判断は獣医師の指示に従いましょう。

犬と猫の外耳炎の予防

犬と猫の外耳炎の予防

耳をキレイにしておくことが大切

耳垢や耳の汚れがあると、その中で細菌や真菌が増殖してしまうため、耳を清潔にしておくことが大切です。
耳の汚れは耳の洗浄液やお湯で濡らしたタオルで優しく拭き取ってあげましょう。
間違った方法で耳そうじをしてしまうと、耳を傷つけたり、外耳炎を誘発してしまう恐れがあるため、ご自宅で耳そうじをする場合は、かかりつけの先生に耳そうじの方法を教わってから実施しましょう。ご自宅での耳そうじが不安であれば、無理をせずに動物病院で耳そうじをしてもらいましょう。

耳に異変を感じたらすぐに動物病院へ

犬や猫の外耳炎は年齢や品種に関係なく日常的にみられる病気です。外耳炎を治療せずにそのまま様子をみてしまうと、炎症が波及し、中耳炎や内耳炎を続発したり、外科手術での治療が必要になることもあります。
愛犬・愛猫の耳に少しでも異変を感じたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。早期発見・早期治療を心がけ、外耳炎を重症化させないようにしましょう。

実際の治療例

※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※下記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。

チワワ4歳 保険金給付事例
病名
外耳炎
ペット品種
チワワ
事故年齢
4歳
加入プラン
いつでもパックプレミアム

治療費合計:76,230円

保険金支払額:71,510

給付率:93.8% 自己負担率:6.2%

保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容
通院1日目 9,350 9,350 0
通院2日目 16,720 12,000 4,720 補償限度額超過
通院3日目 5,698 5,698 0
通院4日目 6,754 6,754 0
通院5日目 6,314 6,314 0
通院6日目 7,260 7,260 0
通院7日目 6,754 6,754 0
通院8日目 7,040 7,040 0
通院9日目 7,040 7,040 0
診断書費用 3,300 3,300 0
合計 76,230 71,510 4,720

外耳炎のチワワが治療のため9日間通院したところ、76,230円の治療費用となりました。
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SBIプリズム少短の獣医師 藤沼淳也

監修者プロフィール

獣医師 藤沼 淳也

獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。

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