【獣医師監修】ペットの高齢化にどう備える?~犬猫シニア期の病気と対策ガイド~

2025.9.8

  • 高齢化

【獣医師監修】ペットの高齢化にどう備える?~犬猫シニア期の病気と対策ガイド~

もくじ

愛犬・愛猫の「老化のサイン」見逃していませんか?

犬や猫も人間と同様、年齢を重ねるとともに老化現象がみられます。被毛のツヤがなくなり、パサつく、白髪が増える、目が白っぽくなるなど、見た目にも変化が現れます。

犬と猫は何歳からシニア?~8歳を過ぎたらもうシニア~

犬・猫は若齢期、中齢期を過ぎると高齢期に入ります。高齢期に入る前あたりから内臓機能の低下や見た目の変化など、老化のサインが現れ始めます。そして高齢期に入ると老化が顕著に現れます。この高齢期がシニア期と言われており、年齢としては、品種にもよりますが、小型犬・中型犬・猫では11歳以上、大型犬では8歳以上が目安となります。 環境省の『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』によると、小型犬・中型犬・猫は最初の2年で24歳、3年目以降は1年に4歳ずつ年をとり、大型犬は最初の1年で12歳、2年目以降は1年に7歳ずつ年をとると紹介されています。愛犬・愛猫がライフステージのどの段階にいるのか、参考にしてみても良いかもしれません。

小~中型犬・猫
1歳 15歳
2歳 24歳
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳
15歳 76歳
16歳 80歳
17歳 84歳
18歳 88歳
19歳 92歳
20歳 96歳
大型犬
1歳 12歳
2歳 19歳
3歳 26歳
4歳 33歳
5歳 40歳
6歳 47歳
7歳 54歳
8歳 61歳
9歳 68歳
10歳 75歳
11歳 82歳
12歳 89歳
13歳 96歳
14歳 103歳
15歳 110歳
16歳 117歳
17歳 124歳
18歳 131歳
19歳 138歳
20歳 145歳

出典:環境省『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』

見た目は元気でも、体の中では少しずつ変化が~犬と猫の老化はじまりのサイン~

老化のサインは見た目や行動の変化から気づくことができます。

・白髪が増えた
・被毛のツヤがなくなってきた、パサつく
・皮膚のハリがなくなってきた
・目が白っぽくなってきた
・寝ている時間が増えた
・動きがゆっくりになってきた

以上のような変化が老化のサインとして現れます。老化のサインは加齢にともなう身体機能の低下の結果として現れるものですが、これが疾病につながる、もしくは疾病の症状として現れている可能性もあります。老化なのか疾病なのかは見た目では判断がつきにくく、検査をしなければわからないこともあります。少しでも気になることがあればすぐに動物病院を受診しましょう。

【犬編】高齢犬・老犬に多い病気~手術や入院が必要になるケースが多い~

【犬編】高齢犬・老犬に多い病気~手術や入院が必要になるケースが多い~

高齢犬・老犬に多い病気

僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症は高齢犬・老犬に多い心臓病です。心臓内にある僧帽弁という、血液の逆流を防ぐ弁がうまく閉まらなくなることで血液の流れに乱れが生じます。これにより、咳や呼吸困難、失神などの症状が引き起こされます。
治療には内服薬や食事療法、外科手術があります。内科治療では完治することはできませんが、病態の進行を遅らせることができます。

糖尿病
糖尿病も高齢犬・老犬で発症の多い病気のひとつです。
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの不足により、高血糖状態が持続されます。水をたくさん飲む、おしっこの量が多い、痩せるなどの症状が現れます。病態が悪化すると痙攣、昏睡など重篤な症状を引き起こします。
多くの場合、生涯のインスリン投与が必要になります。

【請求例紹介】シニア犬の高額になりがちな手術・入院費用

下記は11歳のトイ・プードルが糖尿病で3日間入院した際にかかった治療費の一例です。

※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※下記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。

病名
糖尿病
ペット品種
トイ・プードル
事故年齢
11歳
加入プラン
元気応援over8

治療費合計:36,960円

保険金支払額:24,000

給付率:64.9% 自己負担率:35.1%

保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容
入院1日目 12,320 - -
入院2日目 12,320 - -
入院3日目 12,320 - -
∟入院費合計 36,960 24,000 12,960 補償限度額超過
合計 36,960 24,000 12,960

糖尿病のトイ・プードルが治療のため3日間入院したところ、36,960円の治療費用となりました。当社ペット保険のプリズムペット 元気応援over8に加入していた場合は、24,000円の保険金が支払われ、自己負担は12,960円です。

【猫編】高齢猫・老猫に多い病気~腎臓病だけじゃないリスク~

【猫編】高齢猫・老猫に多い病気~腎臓病だけじゃないリスク~

高齢猫・老猫に多い病気

慢性腎臓病
慢性腎臓病は数カ月~数年かけて徐々に腎臓の機能が低下していく病気で、15歳以上の猫の約80%以上が罹患していると言われています。
水をたくさん飲む、おしっこの量が多い、脱水などの症状がみられます。
慢性腎臓病の場合、腎臓の機能が完全に回復することは見込めず、補液や内服薬、食事療法などで病態の進行を遅らせる、症状の悪化を防ぐような治療を実施します。

甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、活動性の増加、食欲増進、体重減少などの症状がみられます。
治療には内服薬や食事療法、外科手術があります。内服薬や食事療法で症状がうまくコントロールできない場合や甲状腺癌の場合などに外科手術が選択されます。

【請求例紹介】シニア猫の高額になりがちな手術・入院費用

下記は10歳のMIX猫が慢性腎臓病で10日間入院した際にかかった治療費の一例です。

※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※下記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。

病名
慢性腎臓病
ペット品種
MIX
事故年齢
10歳
加入プラン
元気応援over8

治療費合計:88,110円

保険金支払額:80,000

給付率:90.8% 自己負担率:9.2%

保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容
入院1日目 13,255 - -
入院2日目 9,900 - -
入院3日目 7,150 - -
入院4日目 7,150 - -
入院5日目 9,350 - -
入院6日目 7,150 - -
入院7日目 7,150 - -
入院8日目 7,150 - -
入院9日目 7,150 - -
入院10日目 12,705 - -
∟入院費合計 88,110 80,000 8,110 補償限度額超過
合計 88,110 80,000 8,110

慢性腎臓病のMIXが治療のため10日間入院したところ、88,110円の治療費用となりました。当社ペット保険のプリズムペット 元気応援over8に加入していた場合は、80,000円の保険金が支払われ、自己負担は8,110円です。

高齢犬・猫の病気の特徴〜ある日突然やってくる〜

なぜ治療費は高くなるの?~通院よりも高額になりやすい手術と入院~

当社の請求データによると、昨年度の動物病院における1日あたりの平均治療費は通院約1万円、入院約1万9千円、手術約13万円と、通院よりも入院・手術の方が高額となっていました。
シニア期に多い心臓病や腎臓病の症状は普段の生活では気付きづらく、病態が進行し症状が悪化してから罹患していることに気付くこともしばしば。このような状態では入院での治療が必要になることもあります。

ある日突然の高額な出費が家計を直撃することも

これまで大きな病気に罹ったことがなくても、ある日突然元気がない、ごはんを食べない、吐くなどの症状が現れ、動物病院を受診したところ、急性腎不全と診断され、入院での治療が必要になり、治療費に30万円かかった、というような例もあります。

「費用」を理由に、愛する家族の治療を諦めないために

犬や猫は人間の年齢に換算すると1年で4~7歳年をとると言われています。これまで病気とは無縁であったとしても、1年に1~2回は健康診断を受け、病気の早期発見に努めましょう。病気は気付かないうちに進行していきます。普段と様子が違うなど異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。
症状が悪化してしまうと、治療が長引いたり、入院が必要になることもあります。その分治療費も高額化する傾向にあります。
治療費が高額なために治療を断念してしまうといったことにならないためにも、病気の早期発見・早期治療に努めましょう。

高齢だともうペット保険に入れない…?

飼い主が知っておくべき、病気と医療費のリスク

犬猫の平均寿命は年々延びており、現在、犬は15歳程度、猫は16歳程度といわれています。高齢になると関節や心臓、腎臓など身体の各部でトラブルが起きやすくなってきます。通院の頻度が増えたり、入院での治療が必要になることもあります。その分医療費もかかりますので、シニア期に入ったら医療費への備えは特に大切になります。

年齢制限でペット保険に入れないケースも

シニア期の病気への備えとしてペット保険に加入しようとしても、ペット保険会社により新規加入年齢に上限があったり、その上限の年齢もさまざまなため、年齢が原因でペット保険に加入できないこともあります。

【ペット保険のご紹介】8歳以上でも入れる!「元気応援プランover8」の魅力

【ペット保険のご紹介】8歳以上でも入れる!「元気応援プランover8」の魅力

今からでも間に合う!8歳以上でも新規加入OK

SBIプリズム少短のペット生活総合補償プリズムペットでは、8歳以上のわんちゃん、ねこちゃんでも加入ができる「元気応援プランover8」をご用意しています。
年齢で加入を諦めていた方でも、健康体であればご加入いただけます。

必要な補償に絞ったシンプルなプラン〜入院・手術に特化〜

高齢になると病気のリスクが高まるだけでなく、入院費用や手術費用も高額になります。「プリズムペット 元気応援プラン」は治療費が高額になりがちな入院費用や手術費用の補償に特化することでよりリーズナブルな保険料で加入ができるプランになっています。

自己負担額を抑える〜補償割合100%の安心感〜

多くの保険は補償割合(50%、70%)、年間あるいは一回の支払い限度額など制限が設けられています。「プリズムペット 元気応援プラン」では補償割合100%となっており、限度額内であればかかった費用をそのまま補償します。※補償限度日数(回数)があります。

自己負担額を抑え、残りの診療費を保険金でまかなうことで、「診療費が心配で十分な治療を受けさせてあげられない」といった状況を避けることができます。

続けやすい仕組み〜12歳以降の保険料はずっと変わらない〜

通常、保険料は年齢が上がるにつれて段階的に上がっていくのが一般的です。これは、高齢になるほど病気のリスクが高まるためです。しかし、私たちは「愛するペットとの時間を、金銭的な不安なく、できる限り長く楽しんでいただきたい」という想いから、12歳以降の保険料は変わらない保険料体系を採用し、安心して継続いただけます。

※社会環境の変化等に応じ、収支状況を検証した結果、当社の定めにより、保険契約の更新時に保険料の増額をする場合があります。

自分に万が一のことがあっても安心〜飼育費用補償特約〜

SBIプリズム少短のペット生活総合補償プリズムペットではペットの医療費だけでなく、飼い主さまにもしものことがあった場合に、大切な家族であるペットが継続して飼育されるようペットの譲り渡し費用(飼育費用)を補償する、飼育費用補償特約を付帯しており、愛犬・愛猫の未来も補償します。

※いつでもパック 犬猫コースのみ

大切なこの子の、未来のために

シニア期の“そなえ”は、元気な今だからこそできる

ペット保険は、将来のリスクに備えるためのものです。何らかの病気を発症してしまってからでは、その病気は補償の対象外になったり、加入自体が難しくなったりします。愛するペットが元気な『今』だからこそ、未来への備えができるのです。

おすすめのペット保険

SBIプリズム少短の獣医師 藤沼淳也

監修者プロフィール

獣医師 藤沼 淳也

獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。

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