もくじ
膀胱炎とは、膀胱粘膜に炎症が起き、頻尿、血尿、排尿困難などの排尿時のトラブルを引き起こす泌尿器疾患です。
膀胱炎の原因は細菌感染や膀胱結石など様々ですが、猫では原因不明の膀胱炎が最も多く、これを特発性膀胱炎といいます。
猫の膀胱炎は再発することが多く、また、治療せずにそのままにしておくと尿路閉塞など、命に関わる重篤な症状を引き起こす恐れもあるため、早期発見・早期治療が大切です。
猫の膀胱炎の原因
細菌感染
細菌感染により膀胱粘膜が炎症を起こします。
結石・結晶
主に食事の影響で膀胱内に結石や結晶が形成されます。この結石や結晶が膀胱粘膜を物理的に刺激することで炎症が引き起こされます。
結石が尿道に詰まると、排尿ができなくなり、尿毒症や膀胱破裂など命に関わる重篤な症状を引き起こすことがあります。
原因不明
検査をしても原因の特定できない膀胱炎もあります。これを特発性膀胱炎といい、猫の膀胱炎の多くを占めます。
ストレスが発症要因と考えられていますが、詳しくは分かっていません。
特発性膀胱炎のおよそ半数が1~2年以内に再発すると言われています。
猫の膀胱炎の症状

猫の膀胱炎で最も多い症状が頻尿です。1日に何回もトイレに行く様子が見られます。
尿漏れや血尿も膀胱炎の症状です。
排尿時の痛みから鳴き声を上げることもあります。
結石や結晶、尿道の炎症により尿道が閉塞してしまうと、尿毒症や膀胱破裂など、重篤な症状を引き起こす恐れがあります。
猫の膀胱炎の治療
猫の膀胱炎の治療はその原因に応じた治療を行います。
細菌性膀胱炎
膀胱炎の原因が細菌感染だった場合、原因菌に対し、適切な抗生剤を使用します。状況に応じて抗炎症剤や鎮痛剤を使用することもあります。
結石や結晶が原因の膀胱炎
結石や結晶が原因の膀胱炎の場合、食事療法を実施します。
結石や結晶の種類により使用する療法食が異なりますので、与える療法食は獣医師と相談して決めましょう。
結石の種類や大きさによっては手術が必要になることもあります。
特発性膀胱炎(原因不明)
特発性膀胱炎の発症にはストレスの関与が疑われています。生活環境を見直し、ストレス要因(トイレの汚れ、騒音など)を取り除いてあげることが大切です。
また、特発性膀胱炎の管理には、抗炎症作用のあるビタミンEなどの抗酸化物やオメガ3脂肪酸が豊富に含まれた猫下部尿路疾患用の療法食が有効であることが報告されています。持病によっては猫下部尿路疾患用の療法食を控えた方が良い場合もあるため、療法食の使用は獣医師と相談して決めましょう。
猫の膀胱炎の予防

猫の膀胱炎の予防には、十分な水分摂取量を確保すること、ストレスを減らすことなどが大切です。
十分な水分摂取量の確保
十分な水分摂取量を確保し、排尿を促すことは膀胱炎の予防に効果的です。
水飲み場を複数か所つくり、新鮮な水をいつでも自由に飲めるようにしてあげましょう。
ウェットフードからも水分は摂取できますので、お水をあまり飲んでくれない場合はウェットフードを与えてみてもよいかもしれません。
ストレス軽減
トイレが汚れていて排尿・排便を我慢する、大きな音がして落ち着かないなど、生活環境中にストレスの要因となるものが隠れているかもしれません。生活環境を見直し、ストレス要因を取り除いてあげましょう。
特に、猫の特発性膀胱炎は1~2年でおよそ半数が再発すると言われています。普段から水分摂取量の確保、ストレス軽減を心掛け、発症予防、再発防止に努めましょう。
保険金お支払い例
※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※下記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。
- 病名
- 特発性膀胱炎
- ペット品種
- マンチカン
- 事故年齢
- 2歳
- 加入プラン
- いつでもパックプレミアム
治療費合計:32,725円
給付率:72.8% 自己負担率:27.2%
- 給付事例の詳細はこちら
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保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容 通院1日目 20,900 12,000 8,900 補償限度額超過 通院2日目 2,805 2,805 0 通院3日目 3,190 3,190 0 通院4日目 3,190 3,190 0 通院5日目 2,640 2,640 0 合計 32,725 23,825 8,900
特発性膀胱炎のマンチカンが治療のため5日通院したところ、32,725円の治療費用となりました。当社ペット保険のプリズムペット プレミアムプランに加入していた場合は、23,825円の保険金が支払われ、自己負担は8,900円です。
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監修者プロフィール
獣医師 藤沼 淳也
獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。


